Japanese Room ■ 和室

Japanese Room



和室は家の中でリラックスできる空間のひとつです。やはり、木や土、そして藁や井草など、日本に昔からある自然の素材を用いているのがその理由だと考えられます。若い人でも畳の匂いを好きな人はたいへん多いですし、小さくても和室が欲しいという要望はよく聞かれます。実際には、スペースの問題などもあり、必ずしもきちんとした和室をもうけることができない場合もありますが、小さくても、素材の選び方や開口部や照明などのデザインの方法によって、くつろげる「和」の空間をつくりだすことができます。

Void ■ 吹き抜け

Japanese Room

広さが同じでも天井の高さや形状が異なると全く性格の違う空間になります。建築の設計では間取りだけではなく、高さも重要な要素です。生活のスタイルにもよりますが、一般的な2.4メートルという天井高ではゆとりがなく、一律にその高さにしてしまうと窮屈感があります。場所によって高くしたり、低くしたりすることにより、メリハリが生まれます。

吹き抜けに空間の贅沢さやダイナミックさを求める向きもありますが、吹き抜けの機能のひとつに、別の階を繋げるということがあります。リビングから吹き抜けを通じて子供部屋と繋がるようなプランなどは典型的ですが、異なる階の分断されてしまいがちな各室を、吹き抜けにより一体化させることができます。

そのほかの機能として採光や換気などがあります。吹き抜けに限りませんが、トップライトやハイサイドライトなど、高い位置からの採光は非常に効果的です。また、換気に関しては、上下の温度差を利用すると十分な自然換気が得られます。

Window ■ 窓・間戸・マド

建築の構成要素として、窓の位置付けは非常に重要なものです。単に窓といっても、いわゆる一般的なの窓だけではなく、広義にはガラス張りのカーテンウォールなども含めます。

窓の機能として眺望・採光・換気・デザインなどが挙げられ、またそのコストも窓の種類を選択する要因になります。窓にはそれぞれの種類によって機能が違い、使う場所に応じて適するものを選択します。たとえば、一般的な引き違いの窓は、コスト面でのメリットが大きく、また採光・換気などの機能もあるため多用されていますが、特に、モダンなデザインには合いにくいため、使用する場所には注意します。それぞれの部分に必要な機能を明確にしたうえで、形態・大きさを決定していきます。網戸などについても同様で、眺望を重視するところなのか、換気が必要なところなのかを検討し、その有無を決定していきます。

Material ■ 素材・材料

よく言われることですが、建築の設計者は生地の素材を好みます。インテリアやプロダクトのデザイナーなどに比べても、その傾向は強いと思われます。いわゆるプリントされているようなイミテーションの材料は建築の設計者はあまり使いません。両者の違いは、そのデザインの対象の、存続する期間によるものが大きいと考えられます。建築の設計をすると、設計者はその後もその建物と付き合っていくことになります。実際に新旧のさまざまな建物を見ると、やはりそのようなニセモノは長い年月に耐えうるとは言えないということを、実感しているのです。「つくられたときがいちばんきれい」なものを否定するわけではありませんが、長期間使用される建築においては、時間とともに陳腐化するものは避けるべきであると考えます。決して高価なものを使わなければいけないわげてはなく、シンプルな飾りのない素材は年月を経てもみすぼらしくはなりません。

Light Architecture ■ 軽いタテモノ

建物を建てるということはとても大きなことです。建物というものは建てられたあと数十年、場合によっては100年以上存続します。建築するにも解体するにも、環境への負荷や時間そしてコストなど、大きなエネルギーを要します。しかし、耐用年数をより長くするために、建物のつくりはより重装備になり、かえって負荷を高くしているケースも見られます。

もっと、とても軽装備な建物もあっていいのではないでしょうか。掘っ建て小屋のような建物です。自分たちで鋸と金槌をもってつくれるような建物。ちまたには「中の中」ランクの建物が溢れています。「下の上」の建物です。たとえば、一般的な「ワンルームマンション」などでは、大部分のものは最低限の機能を有するのみで、どれも大差なく画一的で、ただ寝泊りできるだけです。都会では難しいかもしれませんが、ちょっとしたスペースに、最小限の部材で構成された躯体と、生活できるだけの設備、そしてお気に入りの家具。簡素でありながら豊かな暮らし。

建築するということをもっと軽く考えてもいいのではないでしょうか。外国ではDIYで家をつくることもめずらしくありません。「中の中」のツクリモノのなかで生活するよりは、たとえすこしくらいみすぼらしくても、自分にとってよりリアリティーのある空間で暮らすほうが豊かであるといえます。

Function ■ 建築の機能

建築には様々な機能が要求されます。広さであり、間取りであり、空調や給排水の設備であり、その他あらゆる要求される機能を満たすために建築はつくられます。飲食店であれば客席数や作業動線、マンションなら住戸数や安全性など、住宅では部屋数のほか日当たりや風通しの良さなど... 要求される機能とは各建主においてまったく個別のものであり、他人の方法にとらわれる必要はありません。建主本人が何をしたいのかが大切なのです。

一般的に、機能を満たすためには、その機能の大きさに比例してコストがかかります。しかしアイデアによっては、コストをかけないで機能を満たすようなことも可能です。要求される機能を細かく分解し、そのひとつひとつを一から見つめなおして今までとは違うアプローチで要求を解決したり、複数の要求される機能をひとつで兼ねるような方法を使うことです。そのような場合に、その解決方法は既定の固定観念とはまったく違うということもあります。要求される機能を満たすということに着目した場合、そのための方法は限りなくあるのです。

建築にとってはデザインもひとつの機能と考えられます。特に日本人やアメリカ人などには特にその傾向が強いと思いますが、ものを見るときに単純に数量的なスペックで機能の評価や比較を行いすぎています。もちろん数量的なスペックというものは客観的なものであり、評価の基準としては揺らぎのないものではありますが、自分が判断するときには、主観的な評価や自分の感覚をより重視すべきです。デザインとは数値的に評価できるものではなく、その人の主観により判断するものです。好きなデザイン、嫌いなデザイン、それらもひとつの機能です。

建築を設計する作業は、様々な機能の中でどれにウェイトを置くか、という判断をしていく作業でもあります。ピックアップされたたくさんの要求事項の中から、建主との会話を通して要求される機能のウェイトを配分し、コストとの兼ね合いを考慮しながら、すべてのバランスを調整していくのです。

Period ■ とき・時間・時代




刻々と進む時間の中で絶えず変化し続ける季節や年月。そして流れる時のその瞬間に建築は存続し続けます。朝・昼・夜、晴れ・くもり・雨、春・夏・秋・冬とそのときごとにまわりの環境は変わり、また建築を使用する人も時とともに変化していきます。いろいろな時の流れのうつろいを、建築をとおして感じ取ることができる、そんな建築がいいものなのだと思います。